アンティーク時計を手に入れる、「使えるアンティーク時計」を手に入れることが、のちのち後悔をしないアンティーク時計購入のコツです。
欲しい時計・自分に合った時計を選ぶ
時計を持つのは初めてですか?もしすでにデジタル時計など新しい時計をいくつかお持ちなら、今持っているものとは違ったデザイン、アンティークらしい時計を手に入れてみてください。
アンティークでのお勧めは、腕時計なら手巻き時計の全盛時代と呼ばれた1940年前後。現在はあまり売られていない「ドレスウォッチ」タイプと呼ばれる、金側でパーティーなどに着けていけそうな時計がお勧めです。
アンティークならではの形とデザインの時計は、今お持ちの時計とは違った用途に使えるので、1本持っておいても楽しめるはず。
また懐中時計なら、懐中時計の全盛期であった1920年頃までのもの。この頃の凝ったケースやデザインの懐中時計には目を見張るものがあります。
第一次世界大戦以降になると腕時計が主流になり、懐中時計のデザインや素材も大きく変わりますので、その前後の懐中時計を比べてみてください。
こんな時計を使い続けるのは難しい
ご自身の用途や趣味に合わない時計を使い続けるのは難しいものです。
例えば、用途が日常に使う懐中時計であれば、1900年頃の大きな鉄道時計を手に入れても、あまりの大きさ・重たさに早々に持って歩くことをあきらめてしまうはずです。
またレア・貴重な時計だからといって、あまりに古すぎる・文字盤やケースの傷みが激しい時計は、普通の人から見ればただの古い時計です。いつも腕に着けて歩きたいとは思わなくなってしまいます。
インターネットオークションなどで時折見かけますが、現代になってから古い懐中時計を改造して、腕時計のようにベルトを取り付けられるようにラグを取り付けたような、直径5センチもあるような大型の腕時計なども、あまりに大きすぎて使いにくくなることや、時計自体が改造品ですので、無理な改造がされていて長くお使いいただけないこともよくあります。
できるだけ自分の用途にあったもの・あまりおかしなものは買わないようにしましょう。
買う時に絶対押さえておきたいポイント
アンティーク時計を購入する場合は、必ず「保証期間」があるかどうかを確認してください。
昨今はアンティーク時計もインターネットショップで購入するのが主流になっていますが、「保証期間」が設けられているお店は、信用のあるお店であることが多く、買った後の面倒もみてくれるはずです。
保証ができるということは、販売時点で「ちゃんと動く時計である」「管理されている」ということですので、「保証」=「信用」といっても良いでしょう。
実店舗・インターネットの店舗での違いはそれほど無いようですが、「保証」が有る・無いというのは、大きな1つの見極めのポイントです。
良いお店の見極め方
インターネットで購入する場合は、まずはホームページをできるだけじっくりと読んでみてください。ホームページの内容が丁寧であるもの、説明が丁寧であるもの、お店のコンセプトにブレがないことなど、ゆっくりと読んでいくと、それぞれのお店の特色がわかってくるものです。
商品情報以外にも、商品の使い方やケア方法などについて説明があるのは、お店自体に知識があり、販売前・販売後にも気を遣っていると考えることができますので、これは必須条件といえるでしょう。
また本来書かなくても良いことを書いてある、これを読むと買ってもらえないかもしれないような事や説明がしっかりと書かれてあることは、「買ってもらえないかもしれない」リスクをお店として冒しながらも、時計を購入する方のために書かれていることが多く、しっかりと商品やお店について理解をして買ってもらいたいという気持ちが表れていると考えられます。
販売に関しての資格や、時計に関する団体などに所属・登録していることも、資格=信頼であり、団体に所属や登録をするということは、そのお店の姿勢や向上心であるともとれ、また会費などを支払う必要もあるため、お店としてうまくいっているということが読み取れます。
このような条件の揃うお店では、商品の金額も決して安いものではありませんが、アンティーク時計は信頼のあるお店で買うことが本当に大切ですので、良いお店を選んで買うことをお勧めします。
わずかな商品情報や値段しか記載されていないということは、記載する時間や手間が取れない・扱う人の知識が無いこともありますし、買う人のことを考えていないとも取れます。
問題のある時計やメンテナンスのされていない時計を買うことは、購入したまでは良いけれども、のちに修理ができない・長く使えないなどのリスクがありますので、できるだけ避けたほうが良いでしょう。
気をつけたいポイント
インターネットオークションでも、アンティーク時計を購入できる機会は増えています。
ただそれに伴って増えている苦情が、「購入したけど動かない」「修理に出したけど修理ができないほど状態が悪い」「返品も修理も受け付けてもらえない」というものです。
あまりに安いものは「格安」である代わりに、「動かない・壊れている」、最悪の場合は「修理すらできない」という大きなリスクがあることを覚悟しておいてください。
中には「しばらくの間だけ動けば良い」「趣味でお小遣い稼ぎに売っている」という場合も多く、資格を持った職人や技術者が修理をしていないケースが非常に多く見られます。
あまりにも安く売られているもので、「オーバーホール済み」との記載があるものは、間違ったケアや修理が施されていることもあり、実際に問題が起こったときには修理ができないということも良くあります。
こういったご相談が当協会にも多く寄せられていますので、あまりに安い商品・保証のない商品のご購入はできるだけ避けてください。